亡き祖母からのお駄賃

亡き祖母からのお駄賃。先日の良く晴れた日曜の午前中の話になりますが、数年前から開かずの間と化している実家の物置部屋の整理を母親に頼まれ、渋々掃除することになりました。その部屋は、今は亡き祖母が使っていた4畳半の和室です。幼少時、祖母はお手伝いをすると毎回お駄賃をくれたので、駄菓子を買いたいときは、決まって祖母に何かお手伝いすることはないかと伺いを立てたものでした。祖母が他界してから、その部屋は家中の不要品の一時待機場所となり、搬入されることはあれ、搬出されることのない不要品で満杯状態でした。いつか使うだろうと保管された不要品の山を前に、私は私情を挟むことなく、燃えるゴミと燃えないゴミに分別していきました。ちょうどその時、外から廃品回収業者の巡回する声が聞こえてきたので、慌てて家の外へ飛び出し、過ぎ去ろうとする軽トラックを呼び止めました。「捨てる神あれば拾う神あり」とは言ったもので、ゴミにしか見えなかった不要品のほとんどを引き取って頂き、部屋は本来の静けさを取り戻す事ができました。部屋はおおかた片付いたので、襖で閉ざされていた押入れを開けることができるようになりました。恐る恐る覗いてみると、布団や衣類、そして幼少時に見た覚えのある桐製の古びた小さなタンスがひっそりと置かれていました。4段式で一番上の段は左右に分かれた小さな引き出しがあります。「祖母の隠し財産」と言う考えが頭を過ぎり、掃き溜めに鶴とはこのことかと、湧き上がる期待を抑えながらタンスの整理を始めました。すると、案の定真っ先に目をつけた一番上段の小さな引き出しから、真っ赤な巾着袋が出てきたのです。逸る心を抑え、巾着袋の紐を緩めて中を覗き込むと、そこにはピッカピカの五百円玉が1枚入っていました。おそらく五百円玉が珍しくて大事に取っておいたのでしょう。今日のお掃除のお駄賃と思い、遠慮なく頂きました。

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